2014年08月26日

つわりもへっちゃら。クリーンルームの中の話

こんにちは、培養士Bです。

 

以前、一児の母である培養の先輩が、”クリーンルームは本当にきれい。つわりがひどかったが、クリーンルーム内だけはほんとに臭いを感じなかった”と以前おっしゃっていました。


 
クリーンルームの清浄度は1立方フィートあたりの空気に、塵埃(粒子個数)がいくつあるかを数字で表します。米国連邦空気清浄度基準とISO基準 がありますが、国際規格ISO基準での表記が一般的だと思います。


 

クラス

最大空中塵埃数 /立方メートル

≥0.1 μm

≥0.2 μm

≥0.3 μm

≥0.5 μm

≥1 μm

≥5 μm

ISO 1

10

2.37

1.02

0.35

0.083

0.0029

ISO 2

100

23.7

10.2

3.5

0.83

0.029

ISO 3

1,000

237

102

35

8.3

0.29

ISO 4

10,000

2,370

1,020

352

83

2.9

ISO 5

100,000

23,700

10,200

3,520

832

29

ISO 6

1.0×106

237,000

102,000

35,200

8,320

293

ISO 7

1.0×107

2.37×106

1,020,000

352,000

83,200

2,930

ISO 8

1.0×108

2.37×107

1.02×107

3,520,000

832,000

29,300




数字ばかりでややこしいかもしれませんが、クリーンルーム内は富士山の頂上と同程度のきれいさとよく表現されます。
こんな目安もあります。


一般環境におけるクラス(清浄度)の目安

場所

粉塵数 [0.5μm以上ft3]

雲の上

1,000

海の上

10,000

手術室

50,000

田園

100,000

郊外住宅地

400,000

事務所

1,000,000

工場

3,000,000

満員電車

5,000,000




 
当クリニックの設備は前室(ISO8)、クリーンルーム(ISO7)、クリーンベンチ(ISO5)と常にきれいな状態で保たれています。
細胞の培養作業をするクリーンベンチ(ISO5)は手術室並みの清潔度です。



これだけ清潔な空間なのですが、清潔さを維持するためにクリーンルームの4原則はかかせません。

・持ち込まない
・発生させない
・堆積させない
・排除する


この4原則を遵守し、清浄度を維持するためには設備の機能、設置後の維持管理が重要です。
当クリニックでは設備の機能はもちろんのこと、定期的なメンテナンスを行い、クリーンルームの清浄度維持に努めています。


徹底した培養環境を維持しておりますので、皆様ご安心ください。

クリーンベンチ





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2014年08月09日

乳び血清は細胞に良くない

こんにちは、培養士Bです。

今回は皆様の細胞を培養する際に使用する、血清(血液)のお話しです。


通常、血清は黄色なのですが、食後4~6時間後に採血すると、中性脂肪が分解されず、血液中に滞った状態になります。
この滞った脂肪分により、血清が乳白色になります。
このような状態の血清を、乳び血清と言います。


乳び血清↓ 乳白色に濁っています。
2.png


 通常の血清↓ 綺麗な黄色です。

1.png
この乳び血清は濁っていることにより、吸光度を測定する検査、透過光、散乱光で測定する検査に影響を与えます。
培養に関して言いますと細胞増殖に悪い影響を与えます。


皆様にご理解いただくために、私の細胞を使って、通常の血清と乳び血清とで、増殖の違いについて実験を行ってみました。

培養士Bの血清(通常)で培養した細胞↓
13-M05血清M05_播種後93h_凍結0回.jpg
細胞のサイズが小さく、増殖スピードも良好です。



乳び血清で培養した細胞↓
13-M05血清M06_播種後93h_凍結0回.jpg
細胞のサイズが大きく、増殖のスピードが遅いです。



同じlot、同じ細胞数、同じ日数で培養したものですが、増殖にこれほどの差がでます。
数値で言うと乳び血清は私の血清の2分の1以下となります。

私の血清がたまたまよかったのでは?と思うかもしれませんが、看護師Aさんの血清も使用して同じように培養しましたが、大きな差はでませんでした。


看護師Aさんの血清(通常)で培養した培養士Bの細胞↓
13-M05血清073_播種後93h_凍結0回.jpg


このように乳び血清は細胞の増殖によくないことがわかります。
皮膚採取の前や注入での採血時は、お食事は採血直前か、採血後が理想的です。

皆様にはご不便おかけしますが、採血の際にはお食事のお時間を調整していただけたらと思います。
ご協力をお願いいたします。


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2014年08月08日

看護師Aさんの細胞 

こんにちは、培養士Bです。


 
以前、友人から細胞培養ばかりやっていて、飽きない?と聞かれたことがあります。
正直に言います。飽きません。


単調な作業の繰り返しと思うと飽きてしまうかもしれませんが、細胞の状態やキャラクター(特徴)を考えて作業することは、私にとっては単調な作業ではないのです。


 
皆様、信じられないかもしれませんが、細胞ひとつひとつに個性やキャラクターがあります。
先日皮膚採取をした看護師Aさんの細胞は、一言でいうなら”食いしん坊細胞”です。


看護師Aさんの細胞は通常の人より多くご飯(血液の成分)をほしがります。
継代して2,3日目あたりから、Aさん細胞が”ご飯が足りない・・・お腹すいた〜”と言ってきました。


 
そこで通常の人より多めにご飯をあげると、なんと普通の人の1.5倍の細胞数に増えました。
看護師Aさんの細胞はご飯さえあげれば、人並み以上に頑張るタイプです。
そして、最初にご飯さえ与えておけばとてもいい子にしているという特徴をもっています。

細胞によってはご飯はほしいのだけれど、途中で欲しい。最初からご飯多めに入れないでね、といった子もいます。


 
培養士Bの細胞はどのような子だったかというと、”普通の子”でした。
ご飯を途中で欲しがるわけでもなく、これといった特徴がないごくごく普通な子です。
ちなみに、私の上司の細胞はというと”元気な子”で、増殖率がとても高いという特徴を持っていました。


 
私と上司は一回り近く歳の差がありますが、やはり年齢は関係ないなと実感します。


 
こんな風に聞くと、細胞培養も面白いなと思いませんか?
当クリニックでは細胞培養は担当制をとっております。
単調な流れ作業ではなく、細胞の個別に合わせたアプローチでより良い細胞培養を心がけております。


看護師Aさんの細胞
T-75_1F_3H.jpg


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