2014年11月14日

赤と青を混ぜると・・・?−細胞融合のはなし−

こんにちは、培養士Bです。



”なんにもないぶろぐ”をお手本に、最近断捨離を始めました。
書棚を整理していると学生時代のノートを見つけ、ページをめくる度に懐かしい記憶が蘇ります。
今日はそのノートに記されていた
 ”マウスのミエローマ細胞と赤血球の細胞融合−ヘモグロビン検出およびエリスロシン染色−”のお話です。



タイトルを聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、
簡単に言うと、がん細胞と赤血球を合体して染色してみました。という内容です。
一般的には、モノクローナル抗体作製に細胞融合という手法を使います。
抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体といった種類があり、動物に抗原を打って産生させた抗体はポリクローナル抗体に含まれます。



この2種類の抗体の何が違うかというと、
モノクローナル抗体は単一の抗原決定基を、
ポリクローナル抗体は複数の抗原決定基を持っています。
そのため、ポリクローナル抗体では広範な抗原抗体反応を示し、過剰免疫抑制による感染症、PTLD(移植後リンパ増殖性疾患)などのリスクが増大するというデメリットがあります。



モノクローナル抗体は特異性が高く、悪性腫瘍など目的の組織や細胞に対して,薬物を選択的に到達させるミサイル療法にも利用されています。


そんな素晴らしいモノクローナル抗体ですが、抗体を生み出す細胞には寿命や増殖の限界があり、産生される抗体にも限りがあります。
そこで、無限に増えるがん細胞と抗体を生み出す細胞を合体して、生産効率を増大させる為に細胞融合という手法が使われているのです。
融合した細胞はハイブリドーマといいます。



私が行った実験では赤血球とがん細胞の細胞融合実験でしたが、融合後の細胞観察が楽しかったので今でも鮮明に記憶しています。
エリスロシン染色とヘモグロビン検出を行うのですが、この説明をすると長くなってしまいますので、染色するとどうなるかというお話だけにとどめておきます。



エリスロシン染色は細胞の生死判定に使われ、細胞が死ぬと赤色に染まります。細胞が生きていれば無色透明です。
ヘモグロビン検出は赤血球に反応して青く染まります。


ミエローマ細胞(生)=無色透明
ミエローマ細胞(死)=赤
赤血球=青
ミエローマ細胞と赤血球の融合細胞(生)=青


といった具合です。
では、ここで問題です。


ミエローマ細胞と赤血球の融合細胞(死)=
一体何色になるでしょうか?
・・・簡単ですね(^_^)



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posted by JYC STAFFS at 18:54| 東京 ☀| Comment(0) | 細胞のはなし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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