2014年10月22日

培養作業の話A−継代−

こんにちは、培養士Bです。



今日は培養操作の”継代”についてのお話です。
皆さまには、この”継代”という言葉は耳慣れないのではないかと思います。



培養器具・フラスコ一杯に増えた細胞を新しいに培地に移し、次代として培養していくことを指します。

このような感じです↓


培養し始め(細胞数が少なく、まばらです)
T-25_5H.jpg


細胞がフラスコ一面に増えました
T-25_94H.jpg


継代してまた培養します
(広い空間で細胞は更に増殖することが出来ます)
T-25_5H.jpg



では、なぜこの”継代”という作業が必要なのでしょうか?
同じ培養器具・フラスコで増え続けられたらとても良いのですが、そうもいきません。



正常な細胞では増殖し、細胞同士が近づきすぎると移動や増殖が停止する”接触阻害”が起きるからです。
やっかいな機構だと思うかもしれませんが、この接触阻害により一定の組織を形成していると考えられています。




この接触阻害が起こらない細胞がいます。
それが”がん細胞”です。
無限に増殖し続け、腫瘍を作ったり、転移したりします。
私たちの身体や臓器が、がん細胞のように増殖し続け、永遠に成長し続けてしまっては困りますよね。
このことからも、接触阻害が重要な機構であることがお分かりいただけるかと思います。



継代は、新しい培養液に細胞を一部移す作業です。
この一文を読んだだけですと非常に簡単な作業に感じられるかもしれませんが、

・培養期間
・培養液の量
・継代時期

など、複合的に考えて、次に植え継ぐ細胞数を決定していきます。
細胞によっては薄く捲きすぎると増殖が悪くなる場合や、順調に増殖していく場合もあります。
細かなスケジューリングをし、細胞を、注入日にあわせてベストな状態にもっていくのです。



”この程度の数で細胞を捲いたら、○日で細胞が一杯になるだろう”という大まかな予測をたて細胞を育てていく為、細胞の状態、キャラクターをしっかりと理解しなければ、予測通りに行きません。
その為、豊富な培養経験が必要になってくるのです。



今日は”継代”についての記事でした。
次回は細胞の保存についてのお話を予定いたしております。


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posted by JYC STAFFS at 15:43| 東京 ☀| Comment(0) | 細胞のはなし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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